「食を通じて未来を育む」 移住で叶えた理想のレストラン

松永久美子さん(大分県中津市)


原因不明の体調不良に悩まされていた松永さんは食生活を見直したことで症状が改善し食べ物の大切さを実感。それを機にかねてから夢だったレストランの開業に向けて動き出します。

理想のレストランになるまでの過程を自身の思いと共に話してくれました。




店舗と自宅を兼ねる物件

松永さんは「自分と同じように食事が原因で苦しんでいる人の助けになりたい」と考え、無添加の料理を提供するレストランの開業を決意しました。

それまでの仕事を辞め、出身地である中津市と隣接する宇佐市で、半年かけて10軒以上の空き家の物件を内覧しました。

物件の条件は趣のある古民家であることと、店舗と居住のスペースを確保できること。高校生と社会人の息子2人との3人暮らしのため、部屋数が多い物件を見て回りました。



松永さんは宇佐市の空き家バンクに相談した際のことを振り返り、「担当の方がどの補助金が使えるか細かく教えてくれました。開業資金を調達するために銀行から融資を受けていたので、物件の購入や改修の費用を軽減できたのは本当に助かりました」と笑顔で話します。





改修を経て理想の店舗へ


今の家は欄間がある昔ながらの造りに加え、玄関が2つあるため自宅と店舗を分けやすいことが決め手になりました。

改修が必要だったものの、松永さんは「あえて手を加える余地がある物件を探していました。古いものを新しく作り変えるのが好きなんです」と話します。



物件を購入したのち、業者に依頼して壁や床を張り替え、雑草が生い茂っていた庭を整備して芝生を植えました。

自身でも内装に手を加え、店舗の入口の床にビー玉を埋め込むなど随所に松永さんの遊び心が見て取れます。


懸念していたのは、移住に伴う息子の転校。通学の都合から高校を変えざるを得ず、息子は戸惑っていているようでした。

ただ、それまでの母親の苦労を思いやり、最後には「やりたいことをやって生きてほしい」と移住に賛成してくれたそうです。





近所のおばあちゃんが「チラシくれ」

オープン直後は地域に馴染めるか心配していましたが、開業から1カ月を経て「みなさん、気さくで優しくて。当初の不安が嘘みたい」と笑います。

主に食への関心が高い層が来客すると想定していましたが、実際はお客さんの半数近くが地元の人たちでした。


「近所のおばあちゃんが店をのぞきに来て、『知り合いに配るからチラシをくれ』って言うんです。それからは地域の集まりに使ってくれたりして。ここではネットの宣伝より口コミが大事ですね」と話します。



今の夢は店を女性が集まれるコミュニティにすること。「女性が何かしようとするとき、今でも社会的なやりづらさがあると思っていて。魅力がある女性たちがつながって活躍できるような場になれば」。



移住で長年の夢を実現した松永さん。すでに次のステップに目を向けているようです。





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