家庭菜園に温泉、愛する犬との理想の暮らし
田中さゆりさん(東 京都)
犬との暮らしを満喫する田中さんは、母親とふたりで東京から移住しました。
移住前に宇佐に訪れたところ漠然と「ここなら馴染めそう」と思えたそうです。
実際に暮らしてみてどのような生活が待っていたのか聞いてみました。
母子ふたりでの移住
東京で犬専用のアロママッサージ店を開業していた田中さんは、10年以上前から温泉のある街に住みたいと考え、下見を兼ねて日本中を旅行していました。
父親が他界した後、それまで夫婦で暮らしていた母親がひとりになったため、田中さんが一緒に住むことに。
せっかくならと、そのタイミングで母子ともに移住することに決めました。
当初は東京に近く温泉が多い栃木や群馬への移住を考えていましたが、高校の同級生の移住先が宇佐市だったことから、候補地に急浮上。
都内で開催されていた大分県の移住促進イベントに参加して情報を集めた後、実際に足を運ぶことにしました。
移住希望者向けのサービスをフル活用
田中さんは宇佐市に訪れる前に「おおいた暮らし倶楽部」の会員になりました。これは大分県への移住を希望する人が登録できる会員制度で、下見の際のレンタカーや宿泊の料金などを割引できます。
また、事前に空き家バンクに連絡し、ペットが飼育できて畑が付いている物件を何軒か選んでおいてもらいました。訪れたときはちょうど紅葉の季節で、今の家は近くの里山が美しく色づいていたことから心を惹かれたそうです。
滞在中は築140年の古民家「古荘邸」に宿泊。
泊りがけで移住体験ができる施設で、移住を希望している人が無料で利用できます。
田中さんに宇佐市への移住を決めた理由を聞くと、「なぜかすんなり馴染める気がしたんです。関東のほかの町を見たときとは違う感じがして。ずっとここに住みたいと思いました」と言います。
漠然ながらも好印象だったことが、宇佐市への移住を決心させたそうです。
家庭菜園に温泉、理想の暮らし
家の前の畑ではブロッコリーやキャベツなど、さまざまな野菜を栽培しています。田中さんは「近所の人が畑を見て、『ほうれん草はつくってないのね。今度持ってくるわ』と言ってくれて。おかげで野菜を買うことはほとんどありません」と嬉しそうに話します。
東京では住宅街に住んでいたため飼い犬の鳴き声が気がかりでしたが、新しい家は敷地が広く、その心配は減りました。また、「近所の人から『犬は吠えるのが仕事でしょ。気にしないで』といってもらえたんです」と言い、地域の温かさを実感しているそうです。
念願だった温泉は近隣の佐田温泉のほか、親子で別府や湯布院まで足を伸ばして日帰り温泉を楽しむことも。
東京より物価が安いことなど良いこと尽くしのようですが、「虫の対策は欠かせません」とのこと。
「田舎にはつきものですが、暖かくなってくると明かりに虫が集まってきます。家の中にムカデが出たときは各部屋に殺虫スプレーを常備していました」と話します。ただ、「家のすぐ前の用水路には蛍が出てきれいなんですよ」と田舎の虫事情は一長一短のよう。
田中さんの目標は犬のアロママッサージのセミナーを開催することで、「公園でマッサージを教えて、散歩もできたら気持ち良いと思うんです」と目を輝かせます。快適な衣食住を得た今は、より充実した生活に向けて準備を進めています。
田中さんのマッサージはそれぞれ犬にあわせたアロマオイルを選んで使用。移住後も東京の先生からリモートで指導を受けています。