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外国も都会も知るからこそ魅せられた
おだやかなまちの魅力

神里和男さん、サワニーさん(タイ)

丘の上にポツンと佇む一軒家
果樹園ができそうな1000坪もの広大な敷地は子どもたちものびのび遊べてプライベート感も充分
家主はタイで邦人企業の代表を勤めた生粋のビジネスマン
異国の地で経営の最前線に立ってきた彼の目が捉えたまちの魅力を伺いました

外国も都会も知るからこそ魅せられた
おだやかなまちの魅力
ふるさとの原風景をたどって

定年後の生活を見据えていた時期に、たまたまTVで目にしたのが大分の国東(くにさき)でした。

「珍しい地名に目が止まったんですよ。趣味がゴルフと釣りなものですから、四国にも簡単に渡れると知って大分に惹かれました」。


YouTubeで繰り返し見てしまうほど田舎暮らしに憧れていた神里和男さんは、沖縄県石垣島生まれ那覇育ち。幼少期は山や川、海で遊びまわっていたそうで、その憧れは、もしかすると幼い頃の記憶に導かれたのかもしれません。


「当時200件あった大分県内の空き家から、自然の中にあって畑が持てることを条件に30件まで絞り、当てはまる物件全てを見学しました。この家を見た瞬間に、ここだ!と確信しましたよ。電車を使えば大分市や福岡市にも1時間〜2時間で行ける。子どもたちの将来を考えてもベストでした」。

もちろん暮らし慣れたタイや故郷の沖縄も検討したそうですが、子どもたちを日本語学校に預けると、現役を退いた身には金銭面で少し厳しい。

沖縄は空き家自体がほぼゼロで、とりあえずアパートに暮らしながらの「いつか」を待つよりは、時間をかける事なく今望む家を真っ直ぐに探すことにしたのでした。

持ち前の行動力で切り拓いていく

家探しにおいて大分県外も含めるとざっと1000件は調べたという和男さん。

徹底的にリサーチして、自ら暮らしを面白くしようとする想いを感じます。


それは交友関係においてもそうでした。

知らない土地に飛び込んで不安を抱えているだろうタイ出身のサワニーさんへ、子育て支援窓口や外国人相談センターを尋ねて見聞を広げています。


「有名どころもディープなところもたくさんありましたが、僕のイチオシは三和酒類さん。世界に通用する事業を展開していて、間違いなくうさを支えている会社だと思います」。

地域の自然にも魅力を感じており、低い山が連なる山群と田んぼとの幻想的なコントラストがお気に入りです。


支援制度の充実も決め手の一つ

移住を検討するとき、コストを抑えたいと考える人は多いでしょう。

そんな希望を持つ人が活用したいのが、国や自治体が移住促進のために行う移住支援制度です。

一定の条件を満たす必要はありますが、宇佐市ではさまざまな支援を用意しています。


移住奨励金交付事業、中古住宅購入など該当する制度を活用した神里さんは、支援金を活用して日本が初めてというサワニーさんが住み良いように主な生活スペースをリノベーションしました。

さらに子育て世帯を対象にしたマイカー取得補助金(※)も活用しました。

「夫婦で1台ずつ所有するほど車はマストな地域です。買い物はもちろん、いざという時の通院にも助かりますし、おかげで子どもたちと一緒にいろいろな場所へ出かけることができています」。


支援という点では、二歳の一郎くんと四歳のさくらちゃんが通う保育園についても満足している様子。

「教育のレベルに感動しているんですよ。通っている園は100年ほど歴史があり、積み重ねてきた経験と実績はトップクラスだと思います」。

廊下の壁には園で作った制作物が飾られていて、新しい環境に不安を抱えていただろう二人もすっかり馴染んでいる様子が伺えました。


暮らしページの子育て世帯向け住宅に掲載しているモデルケースAを活用

ストレスからの解放

実は和男さんは過去に一度、心筋梗塞を経験しています。

タイの人はおおらかで優しい性格ですが、仕事を一緒にするとなると、 文化の違いに気を遣うこともしばしば。

盗難や従業員のいざこざは日常茶飯事で、時間を問わず呼び出しがあり、自身の身の危険を感じることも。

「24時間気を張り続けていたので、精神的に苦しい状況が続いていました。正直退職した途端に肩が軽くなりましたね」。


人間が幸せを感じる時、それは心と体が健康を満たした時ではないでしょうか。

神里さん御一家が宇佐に来て大きく変わったことは生活リズムがおだやかになったこと。自分のため家族のために使える時間が増え、深い眠りを得ることもできた。

人生に対して満足度が上がり、今が楽しくて仕方がない様子でした。ゆくゆくは敷地に植えている果樹を増やして果樹園にしたいとのことです。


(取材/2023年冬)

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