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ある日の空き家調査で感じたこと
<空き家バンクへの登録を決めたAさんのケース>
先日、市内のとあるお宅に伺い、空き家バンクへの登録に向けた調査をさせていただきました。
実はこの家はまだ空き家にはなっていません。
この家にひとりで住んでいるAさん(女性)はもうすぐ80歳を迎えます。都会で生まれ育ったAさんは、結婚後しばらくしてご主人の故郷であるこの地にやってきました。それ以来40年以上になりますが、ご主人を早くに亡くして以来、ひとりでこの家を守ってきました。
田舎での生活は、仕事に農作業、地域の行事や共同作業などもあり、Aさんはいそがしく働いてきましたが、80歳を迎えるとなったときに、都会で暮らすお子さんから「お母さん、もうそろそろこっちに来てゆっくり過ごしたら?」と勧められたのだそうです。
Aさんはお子さんからの提案を受け入れて、この春から都会で暮らすお子さんのところに引っ越すことを決意しました。
いまは引っ越しに向けて物品整理に励んでいるそうです。そして、大切に維持してきたこの家を若い人に借りてもらい、高齢化が進むこの地域が少しでも活性化するきっかけになれば、とおっしゃいます。
Aさんの場合は、お子さんからの提案をきっかけとして、家の状態が悪くなる前に借り手を探すという選択をされましたが、住んでいる方が体調を崩したりしてから「この家どうする?」となってもなかなか落ち着いて話し合うことは難しいと思います。
そうして空き家になってから3年、5年…と年月が経つにつれて家の状態も悪くなり、どうしたものか…と頭を悩ませている方も多いという現実があります。
ですから、田舎にある実家の将来について、家族みんなが元気なうちにぜひ話し合っておいていただきたいと思います。
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